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【私の養生訓 】脳卒中で二度も倒れた経験のある、広岡達朗氏(元プロ野球監督)ダイジェスト版

【私の養生訓 】脳卒中で二度も倒れた経験のある、広岡達朗氏(元プロ野球監督)ダイジェスト版

やるべきことをやって生き。今度、死んだら天命です
プロ野球監督として、セ・パ両リーグで日本一を達成した指導者として、高い評価されている広岡達朗氏。あまり知られていないが、これまでに2度、脳卒中で倒れている。二度目の脳卒中から3年で野球評論家に復帰を果たし、85歳となった現在もなお、野球界に厳しい意見を投じる広岡氏。健康生活マガジン「健康一番 けんいち」16号の誌面ご登場いただき、健康哲学をうかがった。以下は、そのダイジェストである。(けんいち編集部)
略歴/広岡達朗(ひろおか・たつろう)1932年広島県呉市生まれ。早稲田大学教育学部卒業。学生野球全盛期に早大のショートとして活躍。1954年巨人軍に入団。1年目から正遊撃手を務め、打率.314で新人王とベストナインに輝く。引退後は評論家活動を経て、広島・ヤクルトでコーチを、ヤクルトと西武で監督を務め、セ・パ両リーグで日本一を達成した名伯楽。1992年に野球殿堂入り。中村天風の「心身統一法」を基盤とした指導で知られ、現在の生き方も天風の教えに従い、自らの体の管理に当たる。
写真/二度目の脳卒中は小脳の脳出血だったが、リハビリを経て復帰。言葉にも手足にも不自由はなく、自ら車を運転して出かけることもある。BBM
どうして病気になるのか。間違ったことをしているからだ。
正しい方向は病気が教えてくれる
なぜ病気になるのかと、病気になるような間違った生活をしているからです。しかし、間違った生活をしていても、すぐには病気となって現れません。よくない生活をしているのかどうかも、そのときは気づかないものです。
体には病気やけがを直そうとする能力があります。それを自然治癒力といいます。27,28歳ごろまでは、自然治癒力が働いているので、体によくないことをやっても病にはなりません。
しかし、40歳を過ぎると自然治癒力が衰えていきます。病気やけがをしやすくなり、治りにくくなっている。
それなのに、間違った生活を続けていると、生活習慣病をはじめとする病気を発症してしまいます。
病気が「やり方が違うよ、間違ったことをしているよ。正しなさい」と教えてくれているのです。
ところが、多くの人は病気が正しい生活の方向を示すサインであることを知りません。実感していても。これまでの生活を改めようとしない人がほとんどです。

病になるのには自分にすべて責任があるのです。なんで病気になったのか、原因はあれからこれかなと振り返って、思い当たることがあれば、正していけばいいのです。
もしも、喫煙や飲酒、過食をしていて、それが病気の原因であるのなら、やめればいいのです。やめられないのに、医者に病気を治してくれというのは、ただのわがままです。

私には実体験があります。その一例が51歳でなった痛風です。当時、選手を連れて長野県諏訪市の治療家の先生のところに通っていましたが、その先生が焼肉好きで、ホルモンがおいしいと勧められて、よく一緒に食べていたのです。確かに、ホルモンを食べると体の調子がおかしくなっていました。病気が間違っていることを教えてくれたのです。痛風になって体にはよくないとわかり、ホルモンは食べないようにしました。ほかにも歳をとってからは、動物性の肉類も食べる量をどんどん減らしていきました。
食生活を正したことで、薬を飲まずに、痛風はすっかり治りました。本当によかったと思っています。

薬に頼っていてはダメ
その後脳卒中に二度なりました。
一度目は70歳のころに大脳を、2度目は80歳のころに小脳をやりました。
一度目はゴルフをしていたときです。グラブを握る手に感覚がなく、何か自然ではない感じがしてクラブハウスの責任者を呼びました。すぐに現地の病院で診てもらうことができ、検査で大脳の脳出血がわかりました。幸い中心から外れた小さな脳出血で、1週間ほど入院して退院しました。
その5年後、今度は小脳の脳卒中になりました。一度目の脳卒中後、それまで以上に自己管理を徹底していましたが、それでもどこかで薬を飲んでいるから大丈夫だと、薬に頼っていた部分があったのかもしれません。二度目の脳卒中を経験して「私の生活にはまだ問題がある。間違ったことを正しなさいと病気が教えてくれた」のだと悟りました。まだまだやるべきことがあるのだと、気づかされたわけなのです。

植物性中心の食生活。晩酌もやめた。
小脳の脳出血後は、リハビリを頑張りました。病院で提案された体操はすべてやりました。
病院の先生からは「広岡さん、もうなんでもできるじゃないですか。ここでやる必要はないんじゃないですか」とお墨付きをいただき、退院してからは、2カ月に1回くら通院しながら、家でリハビリを続けました。いまでももう、言語にも手足にも後遺症はありません。

毎晩欠かさず飲んでいた1合7勺の日本酒はやめました。この6年間、一切飲んでいません。野菜、豆、米など、植物性の食べ物を中心とした食事になり、果物もとるようにしています。
腹八分目、よく噛んで食べます。よく噛めば唾液が出ます。唾液には消化酵素と抗菌殺菌作用のある成分が含まれています。かつてひざをけがしたときに巨人軍の水原監督が「つばでもつけておけ」といわれたことを思い出しますが、それにも一理あったのです。

私が巨人軍に入って間もなく師事している中村天風さんは、「人間は気持ちの持ち方が大切だ」といいます。怒るより、心配するより、笑っていたほうが、血液はきれい(弱アルカリ性)に保たれ、自然治癒力も高まると考えています。

以下、広岡達朗さんのお話(養生訓)は続きます。
詳しくは、健康生活マガジン「健康一番 けんいち」16号(コーチング・クリニック10月号増刊)をお読みください。

けんいち編集部